• イラスト作家・ミカヅキのウェブサイト

    こんにちは、ミカヅキです。
    私は現在2羽の文鳥を飼っています。
    そのうちの1羽である白文鳥のプク(4歳半)に対し、私たち家族の不注意による事故を起こしてしまい、大ダメージを与えてしまいました。
    9日間入院し、幸い命をとりとめ奇跡的な回復を見せてくれたプク。
    自戒の念を込め、事故の経緯〜入退院の記録をここに記したいと思います。
    ※画像は多数ありますが、外傷はなかったので流血などの写真はありません。(フンの状態は度々出てきます。)

    本日、2024年4月20日現在のプク。まだ本調子ではないものの、ずいぶん元気になりました。

    事故について

    放鳥時、少し目を離した隙に足元を探検しに来たプク。それに気づかず誤って踏んでしまったのです。
    慣れていればいるほど起こりやすい、飼い鳥に多い事故。絶対に気をつけないといけない、と話すことも多かったのに……。
    プクはパニックを起こし、勢いよく飛び出し壁にぶつかり床に落ちたので、慌てて手に乗せて別の部屋へ移動。ショックと痛みで暴れて手のひらから飛び出してしまったり、声をかけても全然通じていない様子でした。この時、左目が異常に見開いていました。
    日曜の夜でしたが、ダメもとでかかりつけの動物病院に電話をし、留守電に状況と名前と電話番号を入れて向かいました。そこに行って無理だったら大阪の救急動物病院に連れて行くしかないという状況でしたが、たまたま病院に戻った先生から電話があり、運よく診てもらえることに。
    プクは車の中で少しおとなしくなったけど、気を抜くと暴れそうな感じだったので、助手席の私が両手で包んで温め、声をかけながら病院まで移動しました。

    病院での診察

    事故発生から約40分後に到着。
    ケージに入れるとゴロンと転がってしまったあと、プクは自力で止まり木に乗りました。身体は左側に傾いた状態。開口呼吸などは見られませんでしたが、左目はかなり開き気味で力が入っている様子でした。

    レントゲンを撮って説明をしてもらったところ、大きな骨格(脚、翼など)は折れていないが、細かい骨は折れている可能性はあるとの事でした。レントゲンにも種類があり、細かい部分を見るには専用のレントゲンで撮影する必要があるとのこと。骨盤あたりが白いモヤのように写っている部分は、もしかすると出血しているかもしれないとの事でした。外傷はなくても、神経に大きな損傷があるかもしれない、と……。身体の向きを変えて再度レントゲン撮影するとわかることもあるだろうけど、今の状態で何度も撮影をするのは身体の状態的に無理があるので、とにかく早く痛み止めを打つ必要があるという事でした。痛みに耐えることで消耗して命を落とすことも多いようです。
    目に関しては「光を当てて診察したけどちゃんと反射してるし、特に異常はなさそうですよ」、とのこと。失明していなくて良かった……。

    先生から「入院するかお家に連れて帰ってもらうか、どうされますか?処置をして連れて帰ってもらうことは可能だけど、移動は身体に負担がかかるので、治療としては入院してもらうのが適切です。ただ、自分も夜から朝にかけて家に戻るので、朝になって見てみたら亡くなってしまっている可能性もあります。」とお話があり、一瞬悩んだけど、家族と共に「入院させてください。」と返答。とても信頼できる先生なので、託すことにしました。何かあったら電話してもらうように伝えてから帰宅しました。

    入院

    2日目(朝)

    止まり木には乗っていたけど、片目を閉じ気味でとてもしんどそうな様子で、身体が完全に傾いてしまっている状態。私たちが目の前で話しかけたりしても、反応はとても薄い。餌はまったく食べていない、とのこと。
    クチバシやアイリングなどの色は悪くないけれど、身体がふんわりしていて膨羽状態。(小鳥は体調が悪いと羽を膨らませます。)

    (夕方)

    痛み止めと点滴のほか、先生が昼間に強制給餌して下さって、吐かずに飲み込んだので良かったとのことだった。餌を食べるときにグチュグチュと変な音がするので、体内で臓器に損傷があり、液体が漏れている気がする、と先生。
    フンは水っぽく、黄色い状態。
    先生は「横這いでもいいから、少しずつよくなればいいんです。時間がかかっても途中で治療をやめることはありませんから」と言ってくださりとてもありがたかった。

    鳥にとって適温(28度)の酸素室で安静に過ごしているプク

    3日目(朝)

    痛み止め、点滴、強制給餌後。体重は24gで、最初に来た時から3g減少。
    止まり木から降り、地面にペタッと座った状態で傾いて目を閉じていた。かなりしんどそうな様子。
    面会中に固形のフンが出たけど濃い緑色だった。とても心配な状態。
    肝臓が痛んでいると思うけど、肝臓は再生する可能性が高いと先生が教えて下さった。

    顔の近くに指を向けると、ほんの少し威嚇するような様子を見せた。

    (夕方)

    プクは薬を飲んでくれたらしく、一歩前進。朝に比べて意識がはっきりしている様子だった。

    面会中に大きなフンをしたので先生に伝えたら、良かった!と安心されていた。消化器には問題がなさそう、ということで少し安心。
    プクは私たちのことを認識し、2回飛び出そうと踏ん張るようなポーズを見せたけど、その後疲れて壁面にもたれかかってしまった。疲れさせてしまったみたい。
    一見普通に見えても、餌の上に座っていることで体調の悪さが伺える。プクは綺麗好きので、自身の身体が汚れるような行動は一切しないタイプなので……。

    4日目(朝)

    昨日に比べてずいぶんしんどそうな様子で不安がよぎる。フンは変わらず色が悪く、小さい。
    先生によると、「餌も吐かずに食べておとなしくしてますよ。しんどそうだけど傾きすぎて転んでしまうことは減りました。午後の方が機嫌がいい気がします。週明けまではこの感じが続くかな〜?』とのこと。
    ずっと床にいるんですかと聞くと、止まり木に乗っていることもあるとのことだったので少し安心した。

    (夕方)

    夕方になってもしんどそうなままで、強制給餌の30分ほど後だったけど、意識もぼんやりとしている様子だった。面会中にフンをしたけど、状態は悪いまま。
    足元が頼りなく、目を閉じて傾いてしまう感じ。なんとなく先生も元気がないように感じた。とても心配。

    アイリングが腫れぼったく、とてもしんどそうな目をしている。(クチバシの端についているのは流動食)

    「私たちは面会に行き過ぎなのでは?プクにも先生にも負担をかけているのかもしれない。」と家族と話し合った。

    5日目(朝)

    この日から家族も仕事、私も大学の新学期が始まったので、朝一番に1人で面会へ。この数日、たまたま両方が連休だったのが奇跡的だった。
    プクのいる酸素室はいつも病院の窓から見えるのだけど、覗くとプクのケースが見当たらない。一気に不安になったけど……先生に呼ばれて入ると、なんと昨日と一転してシャキッとしたプクがいた。
    顔つきが明らかに違う。人間も動物も、その時の健康状態が目に現れますね。

    フンの状態も少しだけマシに。

    もちろんまだまだしんどそうで、目を閉じて傾いてしまう様子もあったけど、それにしても雰囲気が違った。
    首を少し動かして、胸元をクチバシで掻こうとするような仕草も見せ、それを見た先生も「首が動いてる!いいですね。」「餌も食べてフンもしているので、このままなんとか時間を稼いでいる間にお薬が効いてくれれば……。」と。
    先生も昨日よりお元気そうでホッとした。
    「私たち、プクがしんどそうなタイミングでくるし、回数も多いし、プクにも先生にも負担をかけていそうだと話してた」ということを伝えると、先生は「全然そんなことないから気にしないでください。」と笑顔で言ってくださり、優しさが心に沁みた。
    お言葉に甘え、翌日も面会に行かせていただくことに。

    6日目(朝)

    この日も仕事前に1人で面会。
    昨日よりさらにプクの表情が明るくなっていて安堵。穏やかな目をしていた。

    様子は昨日とあまり変わらなかったけど明らかな変化があった。以下は先生のお言葉。
    ・「膨羽の回数が減りました。」
    ・「まだ1人でご飯を食べてはいないけど、たまに足元にばら撒いた餌を啄む様子があるし、夜中に少しだけ食べたんだと思います。」

    確かに……!

    わずかだけどシードの殻を確認。

    先生も少し安心した様子で、「治療的にも心配な状態が続いたけど少し落ち着いてきましたね。このまま調子を崩さず、ご飯を自分で食べられるようになって退院に向かえたら……。」と。
    退院という言葉が出た!すごい!嬉しい……!!
    フンの状態もまずまず。体重は「23gをキープしています。」とのこと。23gって、かなり軽い……。でも、先生の口調に不安感はなかったので、そこで落ち込むことはなかった。

    7日目(朝)

    この日は家族と一緒に面会。
    「自分で餌を食べる量が少し増えたので、流動食の量を少し減らしました。」と先生。とても順調。
    眠そうではあったけど、動きは昨日よりさらに良くなっていて、首を細かく動かしたり、止まり木に乗る向きを変えたり、できることが増えていた。小さく「ププ、プ……」と声も出していた。
    家族がプクのお気に入りの帽子を見せたら、目がパチっと開いてすごく反応を見せたり。
    いつも中に入って遊ぶ、プクの別荘的な帽子。

    なんとなく、まだ記憶もはっきりしない状態ぽい。それくらい、心身ともに大きなショックを受けたんだと思う。きっと元気になるにつれ、少しずつ日常を思い出していくんだろうな。

    日曜は休診なので、次は月曜日。
    先生は「餌はついばむようになったけど、まだお水を自分で飲みに行かないので、飲んでくれたらなあ。このまま頑張って週明けに調子が戻っていたら、退院できるかもです。」と!

    8日目(朝)

    先生から「給餌しようとしたら、自分で食べる!って感じで嫌がったから給餌せずに様子を見た。自分で餌を食べ、水をよく飲み、体重が24gに増えた。」
    「この調子で酸素室から出して様子を見て、大丈夫そうであれば夕方に退院できそうです。」と、嬉しいお言葉。
    前回より餌を食べた形跡も多く見られ、体調も良さそうな雰囲気。

    (夕方)

    退院の許可が出て18:30頃お迎えに。家族が仕事のため、私が1人で電車に乗って行くことに。
    すっかり元気そうな雰囲気のプクの姿にホッとした。
    先生に丁重にお礼を言うと、「4、5日目くらいまで治療的にもなかなか進まず心配していましたが、本当に良かった!僕も嬉しいです!」と満面の笑み。素晴らしい先生に出会えて本当に良かった……。先生は本当に動物への愛に溢れていて優しい人。先生だから、怖がりのプクも毎日頑張れたんだと思う。

    プクをプラケースからキャリーケージに移動させるとバタバタ暴れたのでヒヤッとしたけど、なんとか大人しく耐えてくれてよかった。初めて一緒に電車に乗った。

    帰宅してケージから出す時、久しぶりに手に乗せるとペタンと座ってリラックスした様子を見せ、「クックッ」と嬉しい時に発する音で感情表現してくれて、ジーンときて泣いてしまった。

    プクがいない家はあまりに静かで寂しく、空っぽの鳥かごを見るのが辛すぎてずっと布をかけていたけど、また今までみたいに使えるようになって嬉しい。おかえりプク。
    もう1羽のちよじ(桜文鳥)も放鳥の度に大声でプクを探していたので、プクの姿を見てとても嬉しそうでした。


    プクは日に日に元気になり、記憶も取り戻した(?)ようで、私に対しいつも通り威嚇をするようになりました。(^^;)
    飲み薬(水に溶かして飲ませるもの)を10日分処方していただいたので、月末あたりにまた病院に連れていく予定です。今後もちょこちょこと経過を記録しようと思っています。
    プクの最初の弱り方はなかなかのものだったので、今回の回復は奇跡的だったと思います。あの時先生が病院に戻って来てくれていなかったら、助からなかったのではないかと思います……。本当に、先生への感謝の気持ちが絶えません。

    ちなみに、今回の入院費は約5万円でした。

    治療内容は
    ・X線検査 1回
    ・点滴、注射 3回
    ・投薬 9回

    他、入院料・強制給餌料・自宅での内服薬10日分。

    9日間も入院していたし保険もきかないから10万越えを覚悟していたけど、良心的な金額で助かりました。

    最後になりましたが、プクは本当に賢い子で、1番好きな家族から名前を呼ばれると「ピッ!」と返事をしてどこからでも飛んでくるような子です。(残念ながら私は2番)
    普段から行動も落ち着いているし、安心感があるというか……。だけど、「絶対に大丈夫」なんてないんですよね。今回私たちはそれを痛感しましたし、プクの入院期間中、毎日胸が張り裂けそうな思いでした。まだまだ若いプクに、私たちの不注意で命を落とさせるなんて絶対にあってはならない事ですので。
    今後は2度とこんなことを起こさないように、家族で注意し、プクとちよじには長生きしてもらえるように頑張ります。

    長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました!


    コメント一覧

    2024-04-27 15:52

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